イカ類は種類が多く世界で約400種以上、日本近海にはそのうち数十種がいて、
北海道ではスルメイカ、ヤリイカなどが主として水揚げされます。
漢字では烏賊、カラスの賊と書きます。
これは中国からの伝来です。
海面にゆらゆら浮いているイカを死んだものと思い、食べようと海面に下りてきたカラスが、
イカを捕まえようとした瞬間、イカはその足でカラスに絡みつき海中へ引き込み、
逆にカラスを食べてしまう、ということから中国では烏賊と書くのだそうです。
日本でも和名抄ほかの字源録には、中国のこの故事を載せ烏賊と書く由来のひとつにしています。
スルメイカは日本海を成長しながら北上する1年魚。
道南の函館あたりで6〜9月に最盛期をむかえます。
さらに晩秋の10〜11月には道東にいたり、羅臼あたりで大量に漁獲されます。
漁法は定置や底引き網もありますが、
やはりダイナミックなのはズラリと集魚灯を使っての夜間のイカ漁です。
とれたてのイカは甘味もあり、刺身は格別の美味しさです。
イキのいいうちにスルメ、珍味、塩辛などに加工されます。
ヤリイカは道南を中心に1月〜5月に水揚げされ、春イカとして珍重されます。
肉質は薄めですが刺身の味わいは上品、味のよい笹スルメの原料となります。
イカは食卓に馴染み深いだけに、俗称が多くあります。
たとえば、真(マ)イカというのも俗称のひとつです。
実在しそうな名ではありますが、分類上の正式な名称ではありません。
スルメイカ、ヤリイカ、ケンサキイカなど大型のものは真イカという俗称をもち、
いずれも真イカの市場名で店頭にならぶことがあります。
形を見比べるとすぐに区別できます。
耳ひれの短いのがスルメイカで、標準の胴長は30cmくらいです。
ヤリイカは胴が40cmほどと長く、耳ひれも長三角です。
その中間あたりのサイズがケンサキイカで、標準胴長は35cmくらいです。

【 主な生産地ベスト5 】
平成17度水揚げ量

イカの身体比較
ヤリイカ (胴長40cm) |
ケンサキイカ (胴長35cm) |
スルメイカ (胴長30cm) |
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イカの身体構造

