江戸時代の百科事典ともいうべき和漢三才図絵(1712年編)には、
「ホタテ貝は殻を帆のように立て風を受け海面を走り回る。だから帆立蛤(はまぐり)との名がついた」
とあり、かなり長い間、信じられていました。
事実は海底生活動物で海面に出ることはありません。
移動は、巨大な貝柱の強い力で殻を開閉し、勢いよく背から海水を吐いて飛ぶように素早く移動します。
まるで扇を飛ばしたような感じで、帆立貝の古名に「海扇」というのがありますが、
むしろこのほうが優美でその姿と味覚にはマッチしているように思います。
ホタテ貝は寒海性の二枚貝で海水中の植物プランクトンや有機物を餌にして成長します。
雄と雌の見分け方は、親指ほどの生殖巣で見分けます。
赤が雌、白が雄、いずれも食味は同じです。
産卵期は4月〜6月で、桜の開花時期と同じといわれています。
桜の開花が早い地方ではやはり産卵時期も早くなります。
1年で殻の大きさは2cm、2年で6cm、3年で9cmくらいに成長し漁獲されます。
ホタテ貝の寿命は10年から12年で、大きいものは殻が20cmにも成長し、
その貝柱の直径はなんと7cmにも達するといいます。
北海道のホタテ貝の生産シェアは、
天然ものは国内の約99%、養殖ものは約59%、国内生産の8割を占め、
年間を通じて漁獲されているので、いつでも食べることができます。
漁獲量の多い時期は、
天然ものが5月〜8月、養殖ものは12月〜3月でそのころがホタテ貝の旬です。
ホタテ貝には、肝臓機能を高め血中コレステロールをコントロールする作用、
血圧を下げる作用などで注目をあびたタウリンが多量に含まれています。
タウリンはアミノ酸の一種でイカなどに多く含まれていると言われていますが、
ホタテ貝はイカの約2倍の含有量です。

【 主な生産地ベスト5 】
平成17年度

【 ホタテ貝の内部構造 】

